貴族とか



王子様とか



暗殺者とか



そんなことどうでもよかった。



何故そんなこと言うかって?



・・・それはあなたにまったくもって興味がないから。













「なぁ〜・・・・雫〜・・・・」



「・・・・・・・・」







今日もきた!金髪の我が侭自称王子っ!!!







「雫〜〜〜〜〜・・・・・」



「・・・・・・・・・」







ハッキリ言って私はコイツが嫌いだ。







「雫〜〜〜〜・・・・・・」



「・・・・・なんですか・・・」







あまりにうるさいからしぶしぶ答えてみる。



そしたらすごい笑顔で近寄ってきた。







「なんでそんなに素っ気ないんだよ・・・」



「・・・・・・・嫌いだから」







あー・・思わず言っちゃった。



本音ってなかなか隠せないモノね。







「・・・・・ふ〜ん・・・・。じゃぁさ、オレのどこが嫌いなの?」



「・・・・・・・・・・・・・・・・」







なんのアンケートだよ。



なんだかイラついてきたので、正直に答えてみた。



いつもなら原稿用紙2行分にも満たない会話しかしないのだけど。







「ぶっちゃけて、全部。存在自体が無理。」



「・・・・オレ、もしかしなくとも存在否定されてる?」



「いや、もしかしなくとも否定してる」







もう会話的に終わりを感じたからその場を去ろうとする。



ソファに座っていた腰を持ち上げて立ち上がろうとすると、



急に横からきた腕にひっぱられて体勢を崩された。



そんなこんなで今は自称我が侭王子の腕の中。







「・・・離して。今すぐ離して。」



「ヤダ」



「マジ、止めて。嫌いだって言ってんでしょ」







なんとか解放されようと暴れてみるが、王子といえどやっぱり男。



力は強い。







「・・・オレは好きなんだけど」



「・・・・は?」







何。急に。



何。いつもの自己中発言?







「・・・冗談でしょっ・・・」



「ーーっ・・・冗談じゃねぇよっ!!!」







急に背中に強い痛みを感じた。



あまりに急なことに思わず目をつむる。



自称我が侭王子が上に覆い被さっていて、ソファの上に押し倒されてるのが理解できる。







「なぁ、雫・・。オレ、やっぱりお前嫌いだわ・・・」







切羽つまったようなベルの声。



いつもの彼じゃない感じがして、そっと目を開ける。







「オレの事を好きじゃない雫は嫌いだっ・・・・」







視界が明るくなっていく次第に、ベルの顔も見えてきた。











その時。



初めてベルの瞳をみた。



今まで金髪に隠れていた瞳が




あまりにも・・・・・






「−−−−っ・・・・・」







悲しそうだったから・・・・・。







「・・・・・ベル・・・・・・ごめんね・・・・・・」








そっと頬に手をやり優しく口付けた。


















貴族とか



王子様とか



暗殺者とか



そんなことどうでもよかった。




でも



私を求めるベルに・・・・









ーーーーーーーーーーおもわず手を差し伸べたくなったんだ。










そのに、
魅入ってしまった








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⇒Celebrazione.様に捧げます。

素材サイト様⇒NeckDoll

H18・9・16