強がる必要 なんて無いんだ






皆さん、こんにちは!です!!私は今、並盛公園に居ます!何故こんな所に居るかというと、・・・。 原因は全て風紀委員に入った事から始まります。まぁ、話せば長くなるんですが・・・。 キッパリ言っちゃえば、無理やり委員長のひばりさんとやらに入れられました☆どうやら、このひばりさんとやらは、 先生も校長も病院も警察さえも手が出せないみたいで、とにかく最強の御方なのです!!

「・・・ふーん、なかなかやるね、は」
「ふぎゃっ!!ひばりさんじゃないすか!吃驚したぁ〜」
「・・・(いい加減漢字変換しようよ)僕も丁度近くまで来ていてね、一緒に帰ろうか、学校に」
「は〜い」

ひばりさんはふ、と優しく笑って私の歩くペースに合わせて歩いてくれる。それが、無償に嬉しい。 友達とか先生まで、ひばりさんは恐いなんて言うけど、並盛の事が好きじゃなければ、こんなに一生懸命風紀の仕事を できる筈ないんだよね、だから、ひばりさんは本当は優しいんだ!! そんな事を考えながら、ぼけっと前を見ずに空ばかり見て歩いていると、

「あ、。前見て歩かないと危な、」

ゴチッ!!!

「?!」
「あ〜ぁ、だから言ったのに・・・」

私は、どうやら、目の前の電柱に頭をぶつけたようです。(痛い・・・)頭を抑えると、・・・あら、生温い液体が・・・。 ひばりさんは「はドジだね、今時そんな漫画みたいな事があるなんて思わなかったよ」そう言ってまた笑った。 本当に恐い人なんて絶対笑わないし、人の心配なんて、しない。だから、やっぱりひばりさんは優しいのです!! え、同じ事言ってるって?まあ、それはいいじゃないですか!あはは!!

あぁ〜それにしてもひばりさんの前では痛い失態だなぁ・・・(本当に頭痛いし・・・)あ、ちょっと涙出てきた。(痛みって本当後からじわじわ来るよね) ひばりさんが「ちょっと先に応接室で待ってて」って言うから「は〜い」って返事をして、まだ痛む頭を抑えながら、応接室のソファにとりあえず座った。 しばらくしたら、ひばりさんが「やあ、待たせたね」って言って(いや全然待ってないっすよ!)何か白い箱で真ん中に赤く+が書かれてあるものを 持ってきた。あ、あれ、ひょっとしてこれ・・・。

「あ、やっぱりタンコブになってる」

ひばりさんはいつの間にか私のすぐ傍に居て、ソファで座ってる私の頭上を見ていた。(やっぱタンコブできてたんすか・・・!) 何やら冷たいものが当たったと思ったら、それは氷の入った袋で、ひばりさんは「それで冷やしなよ」って言って、またその箱を あさり始めた。(あれ、まだ怪我なんてあったっけ・・・?)

「ワオ、もしかして気付いてなかった?」
「は・・・?」
「膝、血出てるよ?」
「っぎゃぁあああ!!」

私が大声を上げたら、ひばりさんは「ちょっと煩いよ、静かにしてよ」って冷静に一言。これが静かにしていられますか! ひばりさんは、私の膝に舌ぁ!!舌這わせてますよ!ちょっと、!!! 少しだけ音がして、ひばりさんの舌が私の膝の傷を舐める。生温くて、少しだけ痛みを伴ったけど、すぐにひばりさんは 舌を離して、キズばんそこうを貼ってくれた。

「・・・うん、これで大丈夫かな」

そう言って、立ち去ろうとしたひばりさんの捲くっていた腕に赤いものが見えて、私は急いでひばりさんを呼び止めた。

「ひばりさんっ!ちょっと待って!!」

私がいきなり大声を出すものだから、またひばりさんは「本当煩いよ、どうしたの?」って少し眉を顰めてこちらを振り返った。 私はそんなひばりさんにもめげず、「ほら、血!出てるじゃないスか!」そう言ったら、ひばりさんは不審げに自分の腕に目をやった。 たらー、と効果音でも付いてるんじゃないかと思うほど、ひばりさんの白い腕を赤い血が伝っていた。

「ワオ、本当だ。全然気付かなかったよ」
「(お前もかよ!)救急箱、貸してください!!」

私は半ば強引に救急箱をひばりさんから奪って、また、強引に座らせて(私って意外と強引な女だったんだね!) 救急箱をあさった。もともと怪我なんて唾でも付けとけば治るみたいな考えだったから、手当ての知識なんてさらさら 無かったけど、(女の子としてどうなんだろうね!)とりあえず、消毒しないとなあと思って、マキロ●を取り出したけど、 ・・・・・・・。

「・・・何コレ、」
「きれてるみたいだね、マキロ●」
「・・・・・・・・」

私はとりあえず、マキロ●を救急箱の中に片付けた。(あとであの保健の先生しめてやる!仕事を疎かにしやがって!!) 少しだけ躊躇ったけど私はひばりさんの腕に舌を這わせた。(だって恥かしいもんね!!) ・・・あー、やっぱ血の味だー、ひばりさんも人間の子だったんだー、(酷くてごめんね!) 私の行動にひばりさんは少し愕いたように目を見開いたけど、そんな事をしている間にもキズばんそこうをそっと患部に 貼り付けた。

「よしっ!出来ましたよー、ひばりさん!!」

じゃ、救急箱置いてきますね、と立とうとした私を今度はひばりさんが「!」って呼び止めた。(何だろう?まだキズあったかな?)そんな呑気な事を考えていたら、私はいつの間にか ひばりさんの腕の中に居た。私の背中にはひばりさんの腕が回されていて、私のすぐ近くではひばりさんの鼓動がリアルに聞えて、 これが属に言う「抱き締められている」という事に気が付く。ひばりさんの鼓動はとても早く波打っていて、もしかして、具合でも 悪いんじゃないかなぁと思うくらいだった。それよりも私は顔がとても熱くて、ひばりさんに抱き締められているから見られなくて 良かったなあと思った。

「ねえ、はさ、どうしてそんなに強いの?」
「・・・・・へ?どうしたんですか、ひばりさん?・・・」
「僕が弱い君を受け入れないとでも思ってる?」
「いきなり、・・・何を、」

私がそんなひばりさんに疑問を抱いているとひばりさんは私を抱き締める腕に力を込めた。

「・・・ずっと、見てたんだ、君の事。相手にとどめをさす時も、目を瞑るのは、」

本当に、何を言うんだろう、この人は。

「君が人を傷つけるという事に悪意を持っているからじゃないの?」

私が?悪い人を痛めつけるのは、私の本望だよ?どうして私がそんな事、

「・・・・・・強がる必要なんて、無いんだよ」

そんな優しい言葉をかけてくれる人なんて、私の周りには全然居なくて。 それを初めてかけてくれたのが、あの皆から恐れられているヒバリこと、雲雀恭弥だったなんて。 私は思わず、頬に一筋の涙が流れた。 ひばりさんはふ、と柔らかく笑うと、私を抱き締める腕を緩めて今度は私の肩に手を置いて、 流れてくる涙を舌で舐め取った。


「・・・そんな、弱い君も全部全部愛してあげるから」





弱い君 愛してあげるから





(0829)Celebrazione.様に提出させて頂きました。雲雀くんに沢山の愛を込めて!!(笑)
Thank you for the wallpaper:十八回目の夏