mark//マーク















手でに触れ、腰に手を回してゆっくりと押し倒す。

決してが痛がらないように――・・・












「ねぇ、スクアーロ」

「なんだぁ?」

「・・・・・・・なんでもない」

「う゛お゛ぉいっ!なめてんのかぁ、。」


の声が下から聞こえる。
見ると少し赤い顔をして、こっちを見ていた。

ベッドの上での出来事。



俺は決まってコトのはじめにキスをする。

それが今まさに、その時。


「・・・っん・・・」

俺が口付けると、はきつく目を瞑り、それから俺に身を委ねる。

熱を帯びた舌を入れると、甘い声がもれて俺の耳を掠める。

貪るような激しいキス。の体温が徐々に上がっていくのを感じる。


の息が乱れ始めると、わざと唇を離してやる。
と、は足りなさそうな顔をしてくる。

俺はこの顔が好きだ。

そして、じらすように今度は唇を首に這わす。




―と、

「・・ふふっ・・・」

突然、俺の下から笑い声が聞こえた。

「・・・なんだぁ?」

首元から離れ、目線を合わせる。

「髪がくすぐったい」

そう言っては右手で、俺の左頬に触れてきた。
細い指先が俺の髪を絡める。

「我慢しろぉ」

そういいながらも、わざと髪を揺らしてみる。
がどんな反応を返してくるのか、楽しみだ。

「んっふふっ・・・だから、くすぐったいってば・・・」

は身をよじっている。
その動きがなんとも色っぽい。

―早くしろと、誘ってんのかぁ?

そう思えるほど女らしかった。
を見ていると、俺の心が高鳴っていく。




の胸元に顔を近づけ、その白い肌をまじまじと見てみる。

「?」

は俺が何をしたいのか、わからないらしい。

そこで、唇を胸元に当てがってみた。

「何?」

ちょっと舌で舐めてから、優しく吸い付く。

「っん・・」

ただそれだけの行為にも、は甘い声をもらしてくる。

―全くこいつはぁ。その声を聞くだけで、俺が欲情しちまうってことわかってんのかぁ!?




そう思いながら唇を離すと、そこには赤い痕が残っていた。

「・・・キスマーク?」

「そうだぁ」

「珍しいわね、スクアーロが痕をつけるのは」

だってしねぇだろぉ・・」

俺はを見つめる。
は胸元についた痕を指先で触れながら見ている。




「スクアーロもしてほしいの?」




と、突然が目線を上げて言う。



―う゛お゛ぉいっ!それは計画的にやってんのかぁ!?

の行動や仕草が、いちいち俺を反応させる。
そんな艶っぽい顔で見ないでくれ。今にも理性がぶっとびそうだぜぇ。



そうこうしていると、が上体を起こし俺の首にその細い腕を絡めてきた。

顔が急に近くなり、胸が当たる。



「う゛お゛ぉいっ・・!!」

がいきなり抱きついてきたことに、俺の心臓は過剰反応を示す。

一度ぎゅっと俺を抱きしめてから、少しだけ腕を緩め俺の鎖骨に沿って指をはしらせる。

そうやって優しく触られると、ドキドキして仕方がない。

はっきり言って、俺はこいつに弱い。



はうっすらと笑みを浮かべると、さっきから触れていた俺の鎖骨に、その唇を当てた。

「・・・な、なんだぁ!!?」

「黙ってて・・」

の息が肩にかかる。

―もう我慢できねぇ。このまま強引に再び押し倒して、無理矢理犯してやりたいぜぇ・・・

そんな気分にかられる。



と、急にが強く吸い付いてきた。

「お゛ぉ!?」

一瞬で終わった初めての感覚。
唇を離して、は少し不満げに言う。

「初めてしたから、加減がわからないわ・・・」

強く吸いすぎて、赤くなりすぎた痕を触っている。



「・・・4日くれぇはとれねぇだろうなぁ。」

「4日?なんだ、案外短いわね」

「俺がにつけた痕なんざ、明日の夜には消えてるぜぇ!?」

「・・・・・確かにいつもそうよね・・・・ねぇ、スクアーロはどうして痕をつけるの?」

「あぁ゛?そりゃあ、が俺のモンだってことを示すためだろぉ」

「・・・そうよね。私もそういう意味でスクアーロに痕を残したの」

「・・・・」

につけられた、真っ赤な痕をまじまじと見る。

「ねぇ、スクアーロ」

「・・なんだぁ?」

視線を戻した俺の視界に入ってきたのは、不満げなの顔。




「私にもっと強く痕をつけてよ」




そういって胸をさしだす。
白い肌にほんのり色づいた痕。


、今日はやけに積極的じゃねぇかぁ?」

ニヤりと顔が緩んでしまう。

「・・・・」

は今更ながら、ちょっと恥ずかしそうにしている。



「いいぜぇ。お前の望んだ通りにしてやる」






のことをからかう余裕なんて、本当は俺にもなかった。
だが、それを悟られないように、わざとをからかってみたりもする。



再び痕に口付けて、今度は思いっきり吸う。

が少々痛みに喘いでも、今は止める気がおきない。

がそう望んだんだからなぁ?









唇を離すとそこには、が俺につけたよりもさらに赤く色づく痕。

が俺のものだっていう
mark




それからを見ると、やけに嬉しそうな顔をしていた。

「ねぇ、スクアーロ」

「・・・?」

「・・・・・・・なんでもない」

そう言ったの口を、再び甘いキスで塞いだ。




夜はまだまだ長い――・・・











                        END
































企画参加させていただき、誠にありがとうございました。「Celebrazione.」の如月聖様。
ただ・・・mark=キスマークしか浮かばなかったという、安直な考えですみません・・・
しかも、大筋のない話・・・言葉足らずの表現は、想像で補っていただけると嬉しいです。(オィ

                        Baroque