ただひたすらに、想う










好きといえばボクもやと返してくれる毎日。
その言葉に真実など無い。
「ボクもや」にはウソがぎっしりと詰まっていて本当はボクもやなんて言葉じゃない。
多分ボクは別に君のこと好きや無いけどねとかそんな言葉だと思う。
仮面をかぶった言葉がいつも胸に当たって冷たい。
ギンの噂などろくな噂が無いのは知っている。
女ととっかえひっかえしてるのも知ってるし妊娠した女の子を冷たく突き放したのも知ってる。
多分ギンの過去をたどれば一歩進むごとに女がいるだろう。
それが本当に愛した女なのかは分からない。
愛した女なんて百人いたら一人いるかいないかだと思う。
まあ何人いようがかまわない。
私には関係の無い事だ。
ろくな事が無いなあと思う。
別に私はギンのことを好きになったことを悔やんでいるわけじゃないけどギンと一緒にい始めてからのことを思うと本当にろくな事が無い。
きっとこの人には悪魔でも取り付いているんだろう。
まあかまわないけど。


 ボクの事しんじとらんやろ」
「微妙です」
「いややわー 好きやあ 言うてるやん」
「はい毎晩聞いてます でも目の前に女がいるんだから男ならいくらでもウソつけますよね」
「せめてボクは信じてーな 近寄ってきたんは君やよ?」
「遊ばれるの覚悟なので信じません」
「変な覚悟しなや」
「別にいいじゃないですか」


さっぱり表情も変えずにあまり感情のこもっていなさそうな言葉が私の脳を支配する。
その顔何を考えているか分からない顔が私を誘惑する。
此処のの中で悔しい悔しいと叫んでる。
なんでこんな奴が好きなんだ。
なんで私はこんなやつに惚れてるんだ!

私が報告書をまとめている時にひそひそと話し声が聞こえた。
いまいち聞き取りにくかったけど市丸隊長という言葉がちらちらと聞こえた。
ああまたきっと他の女の人と遊んだんだなーと心で思うとそのことは心から消し去ってまた仕事に戻る。


「好きですよ ギン でももうボクもやって返さないでくださいよ」


恋人を演じられるのは辛いです。
にやりとギンの笑顔が見えた。

























2006/09/07(関西弁は普段喋ってるのに書くと難しい。ギンのは京都の方のやつかな・・・)